設立趣旨・新たな活動内容の紹介

障がい者の雇用促進に対して

障がい者ダイバーシティ研究会は、企業障がい者雇用の現状と今後の方向性について、
以下を目指し活動を行います。

  1. 障がい者雇用問題と大学実学教育寄付講座活動に向けて
  2. 法定雇用率、実雇用率の現状とその先にある時代を見据えて
  3. 差別、虐待のない合理的配慮提供義務と職場環境の在り方について
  4. 指導員の処遇改善と人材育成強化に向けて
  5. 法49条職場適応援助者(ジョブコーチ等)の在り方について
  6. 法4条障害者の有為な職業的自立とその担い手について
  7. 労働と対価を通した障がい者のキャリア教育について
  8. 特例子会社制度の今後の在り方と助成金制度について
  9. 障がい者の加齢、高齢、リタイアに向けた受け皿について
  10. 精神障がい者の雇用促進について


克服課題

企業における障がい者雇用の現状

身体障がい者雇用が、1976年に法律上義務化(1.5%)以来、既に30年以上、また知的障がい者雇用が、1997年に法律上義務化(1.8%)以来、15年以上が経過しています。そして精神障がい者雇用が今年2013年法律上義務化(2.0%)されました。(施行2018年)しかし、企業の実雇用率が法定雇用率に届くことは直近一時期を除きなく法定雇用率未達成企業の割合は、常に50%以上となっています。こうした現状について、その背景を分析すると以下の問題点がクローズアップされます。 こちらクリック

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①法定雇用率未達成企業等含む今後の課題

2013年4月1日、障害者雇用促進法43条および同法施行令9条により企業は、新たに常用労働者の2%に当たる障がい者雇用が義務化されました。
この法定雇用率について、法律の順守義務、CSRの観点から徐々に企業浸透しつつありますがそれでもなお、徹底できていない企業は、現在も全体の55%以上にのぼります。
厚労省資料2013年度現在、障害者数こちらクリック、うち企業就業者40万人に達しましたがなお就業希望者が増加の一途をたどっています。
とりわけ精神障がい者の就業意欲は、著しく増大しています。
ここに至り、採用、不採用自由原則労働市場の重大な例外、障害者雇用義務(障害者雇用促進法)を例外と堅持しつつ時代は、一歩踏み込み事業経営の一環と位置付ける社会環境の変化の兆しを読み解いています。 過去の6・1調査結果を見る限り、今後も就労する障害者の増大が予想されます。

障がい者の雇用機会が増えると言う雇用の量的拡大だけでなく雇用の質も合わせて重要になっています。
繰り返しになりますが法定雇用率達成のためと言う考えを転換、徐々に企業成長戦力に向け健常者同様、障害者自身の自助共助努力と企業の合理的配慮提供義務から積極的雇用が、双方にとり利益の時代方向と映ります。
このことが今、研究会で検討されている職種・時間 限定社員等「多様な正社員」の在り方に資するものと考えます。

国連障害者権利条約も政府署名以来6年、今年11月衆議院で、12月参議院で全員一致で可決承認されました。
厚生労働省は、今般成立した改正障害者雇用促進法の「差別禁止」および「合理的配慮提供義務」等平成28年4月1日の施行に向け研究会を立ち上げその指針作りを急いでいます。
こちらクリック 改正障害者雇用促進法 「差別禁止と合理的配慮提供義務」(福島大学長谷川准教授最新論文)
雇用・労働分野における合理的配慮(Reasonable Accommodation)の訳について
アメリカADA:合理的便宜、イギリス:合理的調整としています。

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②離職等に関する今後の課題

正確なデータがなく難しい問題です。ミクロの観点から神奈川労働局発表資料による過去10年間の毎年6・1調査時点障害者雇用数(ダブルカウント含む)およびその前月5月30日就職件数合計から多少分析、離職原因問題をクローズアップします。
(1)平成25年6・1調査企業障害者雇用数合計16,541人。
(2)平成25年まで過去10年間の障害者就職件数合計16,438件。
(3)過去10年間、各当年度の6・1調査数字と、その各前年度の6・1調査数字との差異合計5,234人。
(2)-(3)=11,204人…一応(広義)の離職者とカウントします。

この数字の内訳は複雑です。単純任意離職者、解雇者、転職による離職者、離職後再就職者、過年度長期就労後の離職者等多様な障害者が含まれているからです。それゆえ一応(広義)離職者数としています。そしてその(広義)離職率は66.9%になります。即ち66.9%中、任意離職率(狭義の離職率)はむずかしいですが50%以上?。この%は、全国都道府県も同様ではないだろうか?。問題は、この狭義の離職率が重要になります。新規雇用数と共に離職者対策(大企業は、助成金に頼らず離職者を出さないキャリア教育継続雇用が時代の流れ?)が、今後非常に重要になると思われます。

障害者である労働者の自覚と能力の開発向上および有為な職業人としての自立への努力義務(法4条)に対する職業生活指導員(法79条)更に改正後の障害者雇用促進法の差別禁止(特に35条以下)、合理的配慮提供義務(特に36条の3以下)更に職場適応援助者(法49条4の2、ロ)の関わり方が重要で離職対策の要と考えます。個別の条文解釈の前に障害者雇用促進法の体系的理解と雇用現場との整合性のとれた合理的解釈が前提と思います。
条文の位置づけも障害者雇用促進法体系に応じ一考の余地がありそうです。特に職場適応援助者の定義(=ジョブコーチ?)は、疑問が残ります。
参考に離職率も読み取れる厚生労働省資料、「障害種別の勤続年数の分布」についてを下記に記載します。

身体障害者
さらに詳細な資料は こちらクリック

活動内容

障がい者ダイバーシティ研究会の具体的活動内容

当NPO法人ダイバーシティ研究会は、慶應義塾大学障がい者雇用寄付講座と、差別・虐待のない合理的配慮提供義務ある障がい者雇用に関する諸制度等含む研究会の二本立てで構成されています。

(1)大学寄付講座

慶應義塾大学商学部では2010年度よりNPO法人「eキャリア・雇用プロジェクトK」による寄付講座「障害者雇用の現状と今後の方向性」を開講いたしております。同講座は、企業で障害者雇用を担当されている方々をお招きし、その現状と将来へ向けての課題などをお話し頂いた上で、学生からの質疑応答を受けるという形で進められております。講座開設の趣旨は、卒業後、一般企業に就職し、企業や社会で指導的な立場に置かれる可能性の高い塾生にこそ障害者雇用の実態を理解してもらいたいというものです。
2014年度で5年目を迎える本講座は、その社会的意義に鑑みて2012年度より共通科目化され、商学部のみならず他学部性(文学部、経済学部、法学部、薬学部、医学部、総合政策学部、環境情報学部)にも門戸が開放されることとなりました。それにより、履修者も300名弱に達しております。学生たちのモチベーションは極めて高く、出席者数の多さは言うまでもなく、講義後の質問も多数出され、教室は熱気に溢れています。履修者が多様化したことで、実業界のみならずさまざまな分野で仕事をする学生に大きな影響を与えることは必至であり、同講座の社会的意義はさらに高まることが予想されます。(中島教授企業依頼文より)


慶應義塾大学商学部教授 兼
障害者雇用寄付講座コーディネーター

中島隆信 氏


(2)障がい者ダイバーシティ研究会の特徴は、設立趣旨等および以下の通りです。

  1. レイアウトは、コの字型、概ね40人前後、企業数にして25社前後を目安にご参加いただき本音で議論するスタイルです。
  2. 年4~6回開催で全員参加型研究会で内容の濃いQ&Aを目指しています。
  3. このスタイルは、既に横浜で4年間20回余の実績があります。
  4. 特例子会社、非特例子会社を問わずオープンスタイルです。
  5. 内容的には、当研究会HPアーカイブにありますように目先の雇用問題だけでなく常に時代の先を読み解いた制度研究会にも力を入れています。
    重要 平成23年障害種別手帳所持者数(次回厚労省発表平成30年)こちらクリック
  6. また研究会テーマも厚労省の情報収集しながら連続性を持たせ講師をお招き、講義後、講師を中心に全員でQ&Aを行い結論は個別企業でとのスタイルです。
  7. 今後、参加企業の個別問題も取り上げ皆で本音で語るQ&Aも検討しています。


東京大学社会科学研究所教授
労働法専攻 水町勇一郎 氏


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